新しい世界、新しい常識を創ることが、リーダーシップにおける基本的な振る舞い方--原田泳幸・日本マクドナルドホールディングスCEO(下)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 アメリカの例を見てください。マイクロソフト、ヤフー、グーグル、すべて創業者は後継者をつくっています。後継者が大事だというのは、同じ職種を同じポジションで3年以上やってはいけないという意味です。3年以内に後継者をつくることは、全ポジションの責任です。そして自分で自分のキャリアを高めていく。後継者なくしては、自分で新しいことをすることはできないですね。

後継者育成というと「俺はクビか」という発想がまず先に来るのが日本のサラリーマン文化です。後継者を育てることは自分の発展のため、そして組織の発展、さらには業績の発展のためです。そういった発想の点では日本の組織文化はまだアメリカに劣っていると思います。

人材について付け加えると、よくグローバル・プレーヤーが重要であると言われていますが、英語を話せることだけがグローバル・プレーヤーではありません。英語が話せれば世界に通用するということではないと思います。

英語はコミュニケーションのためのツールですから、最低限必要でしょう。ただ、それはツールであって、その中に流れる考え方やメッセージ、コミュニケーションの中身は、各文化を知らなければいけないと思います。

スポーツは世界中が1つのルールにのっとって戦っていますが、ビジネスのルールは1つではありません。なおかつ、いろいろな世界のルールを知らなければいけません。

また、世界の文化を知る前に、日本の文化をよく知ること。そこで初めて文化の違いを理解できるのです。日本の文化や日本人の強さ、弱点も知らないで英語を話していたら、日本から見ても変わった日本人ととらえられる。こういう人はおそらくグローバル・プレーヤーとしては日本でも通用しないのではないかと思います。

つまり、正しい日本語をしっかりと話す。正しい日本語を書ける。ここからスタートするのが基本だと思います。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事