新しい世界、新しい常識を創ることが、リーダーシップにおける基本的な振る舞い方--原田泳幸・日本マクドナルドホールディングスCEO(下)
そういう意味で、よくリサーチを外注したり、スプレッドシートを見たり、スプレッドシートの裏を読む力を養成したりすることがありますが、リサーチは企画のためのデータではありません。
自分が信じるものを作り、それを実行することが経営戦略です。その実行を客観的に検証し再確認するためのツールがデータです。
よって戦略企画はリサーチデータで生むものではないと私は強く思っています。リサーチデータで戦略が立案でき成功するのであれば、世の中、倒産する企業はないでしょう。リサーチデータという結果から将来を検証する、予見することはできますが、戦略の成功を担保するものではないと思います。
強さをさらに伸ばすための改革
繰り返しになりますが、「基本」「らしさ」を徹底して考えることが重要です。たとえば、私どもの商品にコーヒーやホットドッグがあります。これはビッグマックやマフィン、マックグリドルのように、わが社でしか作れないものではなくコモディティです。
「らしさ」と言いながら、なぜコーヒーやホットドッグを売っているのか。それは、わが社しかできない商品、ビッグマックをもっと売るためです。
コモディティで新規顧客をお招きし、ビッグマックの売り上げにつなげること。すなわち冒頭に申し上げた基幹ビジネスを成長させるための新しい施策です。
簡単に申し上げると、コーヒーが売れればビッグマックが売れる。ホットドッグを出せばビッグマックが売れる。これが、結果の検証の1つのチェックポイントです。
そういう意味で、「らしさ」だけ追求すればいいわけではなく、「らしさ」を持った商品をもっと売るためにコモディティの戦略的なポジショニングも必要だということです。