新しい世界、新しい常識を創ることが、リーダーシップにおける基本的な振る舞い方--原田泳幸・日本マクドナルドホールディングスCEO(下)

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 本日は短い時間で乱暴な表現や言葉足らずな点はございましたが、皆様の何かのきっかけになれば幸いです。今の世の中は大変厳しい時代です。特に大震災の後は、本当に本日のテーマどおり不確実で予見できない状況が次から次に起こっています。地震、津波、原発と、いろいろなことが起こっているわけです。まだ何が起こるかわかりません。

いわゆる危機管理というのは、どんな危機が来るか予見することから始まることを痛感しました。危機に直面してどう対応するかということでは遅いのです。このいろいろな意味の危機管理に日々対峙しているのですが、危機管理のときにいちばん大きな原動力になるのは、それを乗り越えるという社員の気概、そしてチームワークです。危機に直面したときこそ強いという事実は、わが社における社員の強みの1つです。

最後になりますが、日本の大きな命題の1つは、世界に通用するグローバル人材をどうやって輩出していくかということだと思います。マクドナルドでも、グローバル人材を輩出するための教育に、相当大きな投資をしています。それは決してわが社だけではなく、日本の将来のために貢献する人材づくりという社会的責任の意味も含めて行っているのです。

1年間で15億人のお客様に食の提供をすることはもちろん、すばらしい若いグローバル人材を輩出するエクセレント・カンパニーも目指しています。今後とも、ぜひ、このマクドナルドのマークのお店の前を通られましたら--1カ月に2回近く来店されるのが、日本人の平均来店頻度ですので--それ以下の方は、ぜひ今後ともご支援のほどよろしくお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。

はらだ・えいこう
日本マクドナルドホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長兼CEO。日本NCR株式会社、横河・ヒューレット・パッカード株式会社などを経て、アップルコンピュータ株式会社代表取締役社長兼、米国アップルコンピュータ社副社長に就任。2004年に日本マクドナルドCEO、2005年より現職。

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