選挙後大混乱「ベネズエラ」に何が起きているのか 中南米諸国の憧れだった国に今起きている事

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ジャーナリストのローリー・キャロルが著書『コマンダンテ』で書いているように、彼は「反乱候補者であり、石油依存と腐敗政治という古いモデル、発展の幻影は死んだとベネズエラの人々に告げた」のである。

チャベスの叫びの1つは、貧しい人々を引き上げることだった。

チャベスが自身の運動を「社会主義」と呼び始め、キャロルがイエス・キリスト、カール・マルクス、そして南米でスペインの植民地支配と戦った革命家シモン・ボリバルの「聖なる三位一体」と呼ぶものを中心に革命を形成し始めたのは、後になってからのことだった。

「民主主義を国民に近づける」ためやったこと

後にチャベスの通信大臣となったジャーナリストのアンドレス・イザーラは、チャベスが政権を握ったとき、彼の目標は「民主主義を国民に近づける」ことだったと語った。

つまり、国民投票のような新しい手段を盛り込んだ新憲法によって、国民が政策を決定できるようにしたのだ。また、「ミッション」と呼ばれる新たな制度を導入し、長年の政府機関を迂回して貧しい人々にサービスを提供することを意味した。

そしてそれは、多くの人々が大統領に直接会いに行き、仕事、ローン、家などの便宜を乞う手紙(「パペリートス」と呼ばれる)を書くことで問題を解決し、チャベスがその願いをかなえるというシステムを意味した。チャベスはテレビ番組「アロ・プレジデンテ(大統領こんにちは)」の中で、何時間にもわたって国民に語りかけることもあった。

イザーラは当初、このシステムを支持していた。しかし、やがて彼は直接民主制は虚構だと考えるようになった。「そんなものは存在しない」と彼は語った。「それはポピュリズムだ」。

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