選挙後大混乱「ベネズエラ」に何が起きているのか 中南米諸国の憧れだった国に今起きている事
1世代前、元軍人のカリスマが、より包括的な民主主義、つまり政治エリートから民衆へと権力の主導権を移す庶民のためのシステムを実現するという公約を掲げ、ベネズエラの最高権力者の座に躍り出た。
その人物とはウゴ・チャベスであり、彼は民主的な投票によって1999年に不満の波に乗って大統領府に入り、最終的にこの国の社会主義革命と呼ばれるものを創設した。
ラテンアメリカ現代史における最もひどい選挙詐欺
しかし25年後、チャベスの後継者であるニコラス・マドゥロは、反体制派を投獄し、敵を拷問し、メディアを検閲する権威主義的な政権を率いている。そして、反対派が民意に反して露骨に操作されたと声を上げているる選挙での勝利を主張したばかりである。
7月29日、ベネズエラ各地で反マドゥロ抗議デモが発生し、武装した政府系ギャングがそれを阻止しようとする中、北部のファルコン州のデモ隊はチャベス像の上に登り、まず、その頭を切り落とそうとした。そして、その巨体に阻まれ、金属製の巨体全体を地面に叩きつけた。
ベネズエラは現在、国際的に孤立し、10年にわたる経済危機にあえぎ、海外に逃亡した数百万人の国民を失うという大きな心の傷に苦しんでいる。
ハーバード大学の民主主義の専門家であるスティーブ・レビツキーは、28日に行われた選挙を 「ラテンアメリカ現代史における最もひどい選挙詐欺の1つ」と呼んだ。