選挙後大混乱「ベネズエラ」に何が起きているのか 中南米諸国の憧れだった国に今起きている事

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ベネズエラに何が起きたのか?

世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては欠陥はあったが民主主義が機能していた資源大国が、たった1世代でここまで落ちぶれたのはなぜだろう?
かつて「国民」に支持された運動が、政権を維持するために選挙を盗まなければならなかったと国民の多くが考えるほど支持を失ったのはなぜなのか?

石油価格が高騰していた1970年代には、国家は繁栄していた。富裕層は巨万の富を築き、貧困層は富裕層のために働くことでまともな生活を営んでいた。ベネズエラは世界中から移民や難民が集まる場所だった。

プント・フィジョ協定として知られる取り決めを経て、政治的安定と民主主義の時代が訪れた。その協定上では、ベネズエラの主要政党は、選挙結果を尊重し、過去に国を揺るがした独裁政治を防ぐために協力することに合意した。

チャベスが国民の支持を得た背景

しかし、1980年代に石油価格が暴落すると、貧困と物価が上昇し、政治指導者への不満も高まった。国際危機グループ(ICG)のアナリスト、フィル・ガンソンは、当時ベネズエラは「縁故民主主義」に陥っており、2大政党制の政治家のほとんどがパトロンと自分たちのために働いていたと指摘する。

人々は生活費の高騰に抗議して街頭に繰り出した。カラカソとして知られるようになった一連の暴力的なデモは、政治的火山の噴火の兆候だった。1992年までに、若い軍人が、縁故民主主義の象徴であるカルロス・アンドレス・ペレス大統領を追放するためのクーデターを指揮していた。

その若い将校がチャベスだった。彼の努力は失敗に終わった。しかし、短期間の服役を経て釈放され、大統領選に出馬。1998年、彼は伝統的な政党をブルドーザーで粉砕し、56%の票を獲得した。

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