選挙後大混乱「ベネズエラ」に何が起きているのか 中南米諸国の憧れだった国に今起きている事
資金繰りに窮したマドゥロは、経済に対する手綱を緩めた。物資は流入し始め、やがてアメリカ・ドルはベネズエラのボリバルに代わって事実上の通貨となった。
しかし、食料品や医薬品の価格は高騰し、格差は拡大した。マドゥロの側近は汚職の代名詞となり、ベネズエラの飢餓に苦しむ人々を養うための数億ドルを持ち逃げした実業家アレックス・サーブが告発された。
社会主義からの脱却は完了したかに見えた。
マドゥロの関心事は「人民に力を」ではない
多くのベネズエラ人と同様、元通信相のイザーラもチャベスにはいまだに愛情を持っている。しかし、彼はマドゥロを厳しく批判している。
今日、マドゥロの関心事は「ベネズエラの貧困でもなければ、ベネズエラの民主化でもなければ、『人民に力を』でもない」とイザーラは言う。「関心があるのは自身の”泥棒政治”の権力を維持することだけだ」。
現在のベネズエラでは、チャベスがエリートの追放を約束して大統領になった1世代前よりも、与党に対して「反抗する理由が多くなっている」と彼は付け加えた。
(執筆:Julie Turkewitz記者)
(C)2024 The New York Times
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