「向上心」と「怠け心」どちらが人間の自然な姿か 何を「サボること」に魅力を感じるか実験で検証

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だらける会社員
人間は努力したくない生き物なのでしょうか(写真:miyuki ogura/PIXTA)
「努力が続かない自分」に嫌気がさすことはありませんか。
でも実は努力は、行動経済学や心理学の観点から捉え直すことで、才能や性格に関係なく、仕組み化することができるんです。
根性論ではなく科学的に努力を継続させる方法を3回にわたって紹介します。
(本稿は『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』から一部を抜粋・再構成したものです)

「サボりたい」 人間本来の欲求を逆手に取る

前回の記事では「努力を楽しむ」方法について考えましたが、「できる限りサボりたい」という欲求も、人間として当然の姿であるように思えます。

努力することと何もしないこと、果たしてどちらが自然なことなのでしょうか? 不真面目な問いのようですが、「努力」を考える上では避けて通れない問題といえる気もします。

「できるだけサボりたい」がどの程度魅力的なのかを見るために、筆者が、大阪大学の大竹文雄教授と三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平氏と共同で行った実験を紹介しましょう。

この実験は、45~55歳のミドル世代の投資の促進を目的としたものです。この年代は、就職氷河期の影響などで十分な資産形成をできていない人が多く、退職後の生活に向けて対策を講じていくことが急務となっています。

そこで我々は、メールで投資を促進するメッセージを送り、実際の口座開設や積み立ての設定金額を測定することで各メッセージの効果を検証しました。

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