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「"腹落ち"させる力」が日本人リーダーは弱すぎだ

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  • 入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授
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経営危機を迎えたソニーだったが、2012年に平井一夫氏が社長に就任すると、彼は「ソニーは感動(KANDO)の会社である」と理念を定めた。

私が平井氏から直接うかがったことだが、同氏は朝起きたらKANDO、ご飯を食べたらKANDO、風呂に入ってもKANDOというくらい、まず自分自身にKANDOを言い聞かせたという。

そして、世界中どこへ行っても、どの会議でも口にし続け、理念を浸透させていった

よく考えれば、ソニーが手掛けているエレクトロニクスやセンサー技術も人を感動させるためのものだし、エンタメは言うまでもない。金融だって人生に感動を与えられる、と解釈できる。

「KANDO」という言葉に集約し「腹落ち」を促した

多義的になっていた「ソニーらしさ」の解釈をKANDOという言葉に集約し、平井氏がそれを語り続けたことで、一人ひとりのセンスメイキングにつながり、5000億円を超える巨額赤字を抱えていたソニーは復活を遂げたのである。

ソニーの復活は、平井氏がセンスメイキングを浸透させていったことが背景にあるのだ。

平井氏は創業者ではないが、井深、盛田という偉大な創業者が作ったソニーという宗教を、「KANDO」という言葉で再定義し、解釈を揃えて「腹落ち」を促した中興の祖と言える。

キリスト教で言えば、形骸化していたキリスト教を再定義して、プロテスタントの興隆を引き起こしたマルティン・ルターのような存在と言えるかもしれない。

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