ピクサー「クリエイタートップ」語る"続編作る"訳 映画「インサイド・ヘッド2」に込めた思い

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――今後、ピクサーは長編の製作を中心に注力していくというニュースを見たのですが、ピクサーのこれからの予定について教えてください。

今後は長編に注力する、というそのニュースは本当です。実は一時期、(親会社の)ディズニーからストリーミング配信用に、シリーズをつくってほしいという要望があって。2作ほど待機している作品があるんですけど、やはり何話もかけてつづる物語よりも、長編映画のほうがピクサーには向いているのではないかと思ったので。

ここからは長編にエネルギーをフォーカスしていきたいと考えています。世界は常に変わり続けていくものですが、ここ数年は、特にその変わり方がものすごく加速してるように思います。その中でいかにして文化的に、その世相を反映させるような作品をつくることができるのか。これは難しいところです。

みんなテレビを見ていた時代から変わる

やはり世の中で起きていることと、作品の周波数が合っているとより皆さんの心に響くところがあると思うんです。今、アメリカは間違いなくそうだし、世界もそうじゃないかと思うんですが、SNSによって、あちこちにいろんな小さなグループができあがってきているんですよね。

昔だったらみんなが同じテレビを観ていたわけで、みんなが共通する話題があったんですけれども、今は本当に数えられないぐらいのチョイスがある。例えば僕の親友なんかも、僕がまったく知らないようなテレビ番組を見ていたりする。

ピクサー ピート・ドクター
ピート・ドクター(撮影:梅谷秀司)

そんな中でクリエイターとしてどんなものをつくっていったらいいのかは、ものすごく悩ましいこと。特にピクサーの場合は、ある程度の規模で作品をつくっていくためにはある種、マスの観客にアピールするものでなければいけない。

それが何なのか、答えは自分たちにもわからないけれども、まずはそれが問いなのだと自覚するところが第一歩かなと思っていて。ここからは自分たちが映画をつくるときのストーリー開発と同じように、何かにトライして、違うね、またやり直そうという具合に、トライアンドエラーを繰り返しながら前に進んでいきたい。そうして自分たちが思う正しいものになるまでトライし続けるっていうことをやっていきたいです。

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