インド人社員対策、まずは紛争予防とバランスが必要--山本匡弁護士インタビュー


--実際に紛争にまで発展してしまった場合は?

時間・コストを考えれば、場合によってはある程度の妥協もやむをえないとは思います。ただ、反対のご意見もあるところだと思いますが、私自身は、これ以上は妥協しないという一線を決めれば、それ以上は断固とした姿勢を示して、時間・コストがかかろうと一切譲らない、という対応も大切だと思っています。

例えば、従業員が他の従業員の財布を盗んだので懲戒解雇にしたところ、実際にはおカネ目当てなのですが、解雇された従業員が解雇の無効を主張してきたとします。インドは労働者の保護に傾きがちですから、信じられないかもしれませんが、会社側が負けることがあります。多少おカネを払って和解すれば、その時点では時間もコストも節約できます。が、それで本当に良いのか考える必要もあります。

他のインド人の従業員は会社の対応を見ています。わが社はごねればおカネを出してくれるんだと思います。短期的に見れば問題解決なのかもしれませんが、長期的に見れば決して会社の利益にはならないのではないでしょうか。難しい問題ですが、譲るところと譲らないところのバランスも必要でしょう。

--やはり予防措置としての相互理解が重要、また安易な妥協はしないというバランスも大切という事ですね。今回はありがとうございました。


山本匡 やまもと・ただし
弁護士。長島・大野・常松法律事務所、所属。東京大学法学部、Northwestern University School of Law卒業。Amarchand & Mangaldas & Suresh A. Shroff & Co.へ勤務するなどインドのビジネス法務に精通。専門:クロスボーダーM&A・金融取引等。

 


須貝信一 すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

 

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