アメリカで成功「カップヌードル」まさかの営業法 アイデア次第で在庫が「宝の山」に変わることも

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答え:船でサンフランシスコを去る乗客と、それを見送る人たちに対して、「この紙テープで最後の別れの握手をしましょう」という宣伝文句で売り出した。

客船が港を出るとき、乗客やそれを見送る人たちが紙テープを投げ合う場面をご覧になったことがあると思います。実はあれ、このサンフランシスコ万博のときの「紙テープを売りさばくためのアイデア」が、元祖だったのです。

アイデアを出したのは、サンフランシスコでデパートを経営していた森野庄吉さんという方。日本の会社が困っていることを知った彼は、万博に集まったたくさんの観光客たちでごった返す港で、「この人たちに紙テープを売れないだろうか?」と考えます。

そして、在庫の紙テープを安く買い取り、紙テープを別れの握手に見立てるというアイデアで売り出すことにしました。彼のアイデアは大当たり。それこそ飛ぶように売れて、買い取った紙テープはめでたく完売したのです。

ちなみに、船の出航時に紙テープを投げることは、これをきっかけに世界に広まりました。しかし、しっかりと定着したのは日本だけとのこと。いっとき環境問題に配慮して禁止する向きもありましたが、水に溶ける紙テープを使うことで現在でも存続しています。

「カップ麺」ではなく「具の多いスープ」

続いては、日清食品の「カップヌードル」をアメリカで売り出したときのエピソードです。

当時のアメリカでは、誰もカップ麺なんて食べたことはありません。そもそもどこのスーパーにも、カップ麺を置くコーナー自体が存在していませんでした。そんな状況のなか、日清食品の営業スタッフは、いったいどうやってカップ麺をスーパーに置いてもらったのか? 

実は、初めてカップ麺を見るスーパーの人たちに対して、こんな売り込み文句でアピールしたのだそうです。

「これは、具の多いスープです」

カップ麺ではなく、あくまで「具の多いインスタントスープ」として売り込むことで、インスタントスープのコーナーに置いてもらうことに成功したのです。

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