映画公開から20年「下妻物語」若者達に与えた影響 ロリータなどさまざまなカルチャーが話題に
そして、Tommy heavenly6の透明感ある歌声もこの作品を大いに引き立たせている。オープニングの『Roller coaster ride→』で疾走感が溢れるメロディーで観客を沸かせ、エンディングの『Hey my friend』でしっとりと作品の余韻を持たせている。
深田恭子と土屋アンナのほか、桃子の祖母役に故・樹木希林、イチゴの憧れるレディースの先輩役に小池栄子と、非常に豪華な顔ぶれだ。
ロリータファッションに憧れる若者
映画は現実世界でも、多くの若者に影響を与えた。
作中で桃子が身にまとう「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT(ベイビー・ザ・スターズ・シャイン・ブライト)」は、ロリータファッションを代表するブランドだ。
豪華なレースと贅沢なフリル、そして乙女心を具現化したようなデザインのベイビー・ザ・スターズ・シャイン・ブライトのロリータ服は、ロリータファッションを着ない若者をも引き付けた。
深田恭子が演じる桃子のロリータファッションが、違和感がないほどよく似合うというのも、若者を引き付けた理由の1つだが、桃子が田舎でも堂々と誇らしくロリータファッションを身にまとっている、その強さにも憧れを抱いた若者が多かった。
『下妻物語』が公開された2000年初期は、『KERA!』や『Zipper』や『CUTiE』といった、ストリート雑誌が元気な時代でもあり、 週末の原宿には個性溢れるファッションを身に着ける若者が集まった。
現在は原宿だけではなく、全国にさまざまなファッションが溢れ、多様なファッションが受け入れられつつある。しかし、当時はまだファッションの中心地は「東京」や「原宿」であり、他地域で目立つファッションをしていると奇異な眼差しを向けられることもあった。
『下妻物語』で描かれているロリータファッションの魅力は、居心地のよさを求めて、東京でロリータファッションを着るのではなく、茨城県の下妻で誇らしくロリータファッションを着ているところだろう。
そんな『下妻物語』のリーフレットでは、一本道の田んぼの背景に桃子がピンクのロリータファッションをまとっている。
桃子の芯の強さを表しているような一本道に広がる田舎の背景と、乙女の夢を具現化したような桃子との対比。
このインパクトのあるビジュアルからは、親近感や、勇気をもらうことができる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら