「在宅から出社へ」、社員を呼び戻す「アート」の力 新世代に選ばれるアートなオフィス環境とは?
経済産業省の実証実験のアンケート結果では、特に「組織エンゲージメント力」の分野で効果が顕著だった。
省庁全体では65%のエンゲージメント率だったものが、ワークショップ参加の間では86%のエンゲージメント率と、21%の増加が見られている。アートによって組織に対する親しみが湧いたということだろう。
ストリートアートの独立精神を取り込む
ダニエルさんは、アーティストを選ぶ際に「インテグリティ(高潔さ)」を重視すると語る。
「私たちが仕事をするアーティストはどんな大企業と協業する際にも、自らの軸を見失いません。TokyoDexが重視しているのは、アーティストを最優先にする姿勢です。
各アーティストが芸術性を最大限に発揮すれば、その創作活動がオフィス環境に大きなインパクトを与え、結果的にクライアントを満足させることにつながるのです」
ウォールアートの起源は、1960年代末にニューヨークで始まったエアロゾル・ライティングに遡る。
サブカルチャーとして進化したこれらのアートは、世界的な広まりを見せ、バスキアやバンクシー、カウズや大山エンリコイサムのように、ストリートを越え、ギャラリーや美術館、広告やアパレルなど、多様な場に活躍の幅を広げている。
現代ではさらにオフィスの内装にもその活動領域を広げているというわけだ。
質の高いオフィスアートを製作するアーティストには、ブレない軸があるという。企業と社員の関係も同様に、個人が高潔さを持ち、その創造性を存分に発揮することで組織全体をエンパワーするサイクルができれば理想的だ。
アートを活用することで働く空間そのものに、個人の創造性を尊重しつつコミュニケーションを促す機運がみなぎり、リモートワーク以上の価値を創造できれば、社員のオフィス離れを心配する必要などないのかもしれない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら