「ホテルニューオータニ」新しい顔はアイデアマン 開業60周年を前に22年ぶりとなる総支配人交代
一方で、業界を見渡せば国内系ホテルは建て替えラッシュを迎えている。御三家でもホテルオークラが旗艦ホテルの「オークラ東京」を2019年に建て替え、再開業をした。「帝国ホテル 東京」も2024年度から2036年度にかけての建て替えプロジェクトが立ち上がっている。
ニューオータニは開業当時の建物が今も健在だ。建て替えの可能性について髙山氏は、「まったく否定はしておらず、これまでも検討してきた。だがホテルニューオータニの景観を支持してもらっていることもあるので、当面はこの建物をどれだけ継承できるか、ということに挑戦をしていく」と語る。
IPを収益性向上のドライブに
また注力する事業として挙げたのが、知的財産(IP)の活用だ。これまでも食品大手とコラボ商品を出している。ケロッグのグラノーラや明治の冷凍グラタンでは総料理長などが監修を務め、パッケージでは「ホテルニューオータニ監修」などとアピールしている。
「料飲事業やスイーツに力を入れてきたので、IPを収益性向上のドライブにしていきたい」と髙山氏は意気込む。接客ノウハウを活用した教育・研修事業やコンサル事業への展開も示唆した。
今年2月の東洋経済のインタビューで前任の清水氏は、「ニューオータニは、オーナー(創業家である大谷家)がチャレンジすることに対して非常に前向き。そこに、ニューオータニの『ニュー』のアイデンティティがある」と述べていた。
髙山氏はアイデアマンの総支配人として、どのような「ニュー」を生み出すことができるのか。
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