Win10で「アップル中心の世界観」は変わるか マイクロソフトの「覚悟」を新社長に聞く

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――3in1にもできますよね。Surfaceで電話をしてしまえば。

私はそうしています。これで電話をしています。スカイプ・フォー・ビジネスを使っています。私のオフィスから固定電話がなくなって5年が経ちます。全部これでできますから。

――ただ、それはマイクロソフトの経営者ゆえのポジショントークなのではないかと思いますけれども。

今後は、デバイスではなく人の行動を中心に捉える

そうではありません。今のマイクロソフトは、すべて自社のものを使ってください、という言い方はしないのです。どうぞiPadを使ってください、そこでマイクロソフトのアプリケーションが動くようにしました、というアプローチです。私たちは、ほかのOSが入っているデバイスとも共存していく、という方針を明らかにしています。

今まではPCとかデバイスを中心に、ライセンス体系を作って、なんとかWindowsの中で完結しようとしていたけれども、もうこれは過去の話です。今はデバイスではなく、人の行動を中心に据えたビジネスモデルを作ろうとしているので、デバイスはSurfaceでもPCでもiPhoneでも別にいいんです。Windows 10の時代になって、新しいデバイスの提案が、数多くのパートナー企業から出てくると思います。

――とはいえ、マイクロソフト自身が端末も持っている。パートナーが大事とはいえども、自社開発の端末は「売れなくてもいい」というものではないわけですよね。

一歩引てみると、デバイスというところに関しては、ものすごくたくさんのカテゴリーがあるわけです。でも弊社が作ってるのは、Surfaceというワンモデルだけです。それ以上は増やさないですよね。

というのは、そのデバイスで何割のシェアを取ろうという気がいっさいないからです。そういった意味では「シェアを引き上げる気はありますか? それともないんですか?」って言われれば、ない。逆にそういったところを、パートナーさんにどんどん盛り上げてもらいたい。もしそこまで自分で全部やってしまうと、アップルの世界になっちゃうわけですよ。全部のカテゴリーを持って、パートナーなどが入るすきがない。

――アップルの世界もデバイスの種類は多くありません。ひとつのモデルで世界を制覇する、ということはあるわけですよね。

そうですね。言いたいことはマイクロソフトは自社ですべてを押さえようという考えはない、ということです。マイクロソフトとしては新しい提案を盛り込んだ最高のものを出したいと考えています。

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