マイクロソフト、「スマホ死亡曲線」の代償 フィンランド「ノキア城下町」が凍えている

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フィンランド南部のサロにあるマイクロソフト(旧ノキア)の工場、7月9日撮影( REUTERS/Aleksi Tuomola/Lehtikuva)

[ヘルシンキ (ロイター)] - 昨年、米ソフトウェア業界の巨人、マイクロソフトが経営不振に陥っていたノキアの携帯電話事業を買収したとき、サロ (フィンランド南部の人口5万4000人の町) の住人は、これによって地元経済が復活すると喜んだ。

しかし、マイクロソフトは7月8日、この町にあるノキアの元製品開発部門を閉鎖すると発表し、1100人の仕事が危機を迎えた。これにより、彼らの願いは崩れ去ることになった。マイクロソフトは昨年、サロでの雇用者を増やす可能性があるとさえ発表していたのに、まったく違う動きになっている。

フィンランドの衰退

ノキアがライバルのアップル、サムスン電子に対して競争力を失うなど、フィンランドのエレクトロニクス業界の衰退と、世界的な紙製品の需要減、隣国ロシアへのEUの制裁により、フィンランドは3年にわたって不況を経験している。

サロのように、1970年代に建設されたノキアの初期からの工場が存在する町は特に大きな打撃を受けている。

ユハ・シピラ首相は、マイクロソフトの7月8日の決定について「大打撃」と表現した。そしてサロを訪れ、政府がどのようにサロを支援できるかということについて地元の人たちから話を聞いた。

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