マイクロソフト、「スマホ死亡曲線」の代償 フィンランド「ノキア城下町」が凍えている
エンジニアであり、通信会社幹部でもあったシピラ首相は、フィンランドの予算の収支を合わせ、官僚を減らし、小規模事業者の税負担を軽くすることを公約して4月に選出された。
シピラ首相はフィンランドを再度軌道に乗せるための起業家精神の役割を提唱したが、ノキアから独立した経済に移行するのは大変な作業になるかもしれない。
サロは死亡曲線をたどってきた
10年前にノキアがサロで業務を行っていたときには、5000人を雇用しており、2008年時点でも同地区の5分の1の仕事が情報技術に関するものであった。
現在のサロの失業率は15%。フィンランド全体の9.7%を大きく上回る。2012年のノキアの工場閉鎖と、先のマイクロソフトによる解雇後に上昇しているのだ。さらに製品開発部門の閉鎖により、失業率は20%を超える可能性もある。
失業者の多さと、フィンランドはどこに向かうのかというフィンランド人の不安は、連立政権に参加している欧州統合懐疑派政党「真のフィンランド人」の人気上昇という形になって表れている。フィンランドは、ギリシャの緊急援助資金についての交渉でも、厳格な立ち位置を取る国となっている。
フィンランドの政治家は、ソーシャルメディア上でサロとの団結を訴えている。サロ市長のアンティ・ランタコッコ氏は、世界のスマートフォン市場におけるWindowsのここ数年のシェアが、わずか2~3%に低下していることについて「私とスタッフは、ほぼ死亡曲線をたどってきました」と述べた。
サロへの投資について彼に連絡してくるテクノロジー企業はあったが、詳細を詰める話にはならなかったという。
マイクロソフトがロイターにメールで伝えてきたところによると、新しい戦略のもと、同社は販売するスマートフォンの種類を減らすことになるため、フィンランドに3つの開発拠点は必要なくなるとのことである。