「平気でウナギを食べる人」が知らない資源の実態 ウナギをいつまでも食べ続けるためには

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うな丼(写真:筆者提供)

毎年夏になると、土用の丑の日の食べ物として話題になるウナギ。中国からの輸入物の増加で、20年ほど前に大幅に価格が下がっていましたが、今では再び高止まりしています。

ニホンウナギが絶滅危惧種に指定され、稚魚の密漁など暗い話も多くあります。ウナギをいつまでも食べ続けるためにはどうしたらよいのでしょうか?

このままではウナギ資源は戻らない

ウナギ資源が回復する気配はありません。冷静に考えれば簡単にわかることなのですが、成長して親になる前に魚を獲ってしまったら、卵を産む親の数が減って資源が減少します。これを「成長乱獲」と言います。ウナギ漁はシラスウナギ(ウナギの稚魚)を獲る漁が主体なので、まさにこれに当てはまります。

夜間に集魚灯を使って、光に集まったシラスウナギをすくい獲るのが主な漁法です。漁獲されても群れが大きくて、大量に川を上っていけるうちはよかったのです。しかしながら資源量が減って小さくなった群れに対して多くの網が狙えば、資源量がどんどん減るのは理の当然です。

獲れなくなって供給が減れば価格は上がるので、さらに少なくなった群れを多くの網ですくうことになります。川を上って親になることが許されず、成長乱獲で資源をつぶしてしまう。親になって再び川を下って産卵する親のウナギが減るので、産卵量も減る——どうしようもない悪循環です。

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