「写真1枚」で超分析!劇的に便利なChatGPT仕事術 画像添付で「店舗分析」から「戦略立案」まで回答

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AIで退化する人、進化する人 

AIへの向き合い方で人間の能力が向上するのか、それとも退化するのか、大きな根源的分岐点を迎えています。

キャリアの世界ではクライマーズ(山登り型)、ドリフターズ(川下り型)という2つのタイプがあります。クライマーズは目標を設定してそこに向けて一歩一歩進んでいくタイプ。それに対し、ドリフターズは自然の流れに身を任せて進むタイプです。これはAIに対する姿勢にも当てはめられます。

1つ例を挙げて説明しましょう。オープンAIが出資している英会話アプリ「スピーク」があります。利用者の英語力に合わせたレッスンを、外国人女性の姿をしたAI講師が行ってくれるものです。

今の時代、自分の英会話力を磨かなくても翻訳アプリやソフトを使えば外国人と時間差なく意思疎通をすることが可能になってきました。しかし一方で「スピーク」のような、自分の英語力を効率的に高められるAIツールも登場しています。

AIによって人間の仕事が淘汰されると言われる中、AIを人間の能力をより引き上げるツールとしても活用できるのです。

もちろん一部の仕事はAIによって完全に代替されるかもしれませんが、ほとんどすべての仕事や分野において、AIを活用して自分の能力を高めていくAIクライマーズ的なプロは生き残り、AIドリフターズになってしまうといずれは淘汰されてしまう、これが現実的なシナリオではないでしょうか。

AI を使いこなすのか、AI に使われるのか。例えば、同時通訳アプリに身を委ねて英語力を退化させるのか、AI講師アプリと会話して英語力を進化させるのか。全てのスキルにおいて、人が進化するのか、しないのか。いま大きな分岐点を迎えているのではないかと思います。

GPT-4oは現時点では、過去のことや前例、データがあるものについては人間よりも優れた答えを導き出す能力があります。だからこそ、AI時代において人間に残されたのは未来を創ること、前例のないことに取り組むことです。

そこで重要なのは、自ら問題を発見したり論点を設定したりする能力、クリティカルシンキング(批判的思考法)と言われるものです。それさえもAIが代替できるようになってきつつありますが、それでも人間は思考し続け、取り組み続けるべきでしょう。

AI時代において実は問われているのは、物事への向き合い方やマインドセットといった人間の本質的なところなのかもしれません。

(構成:横田 ちえ)

田中 道昭 立教大学ビジネススクール教授

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たなか みちあき / Michiaki Tanaka

シカゴ大学経営大学院MBA。専門は企業戦略&マーケティング戦略およびミッション・マネジメント&リーダーシップ。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、シティバンク資産証券部トランザクター(バイスプレジデント)などを経て、現在は株式会社マージングポイント代表取締役社長。主な著書に『「ミッション」は武器になる』(NHK出版新書)、『アマゾンが描く2022年の世界』(PHPビジネス新書)、『GAFA×BATH 米中メガテック企業の競争戦略』(日本経済新聞出版社)など。

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