ワイルド・スピード MEGA MAX --スリルとリスクと創造的破壊《宿輪純一のシネマ経済学》

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 また金融商品におけるリスク回避の動きは、株式から、国債、そして金に向かっている。会社・国・金そのものへとローリスクの方へ向かっている。さらに、直近ではその金もそれではすぐに使えないので、現金(キャッシュ)そのものに向かっている。

最近の超円高もそうした動きの1つである。こうした動きが実体経済も悪化させる可能性が高い。

こうした急激な動きは、バブルもそうだが“ギャップ”から始まることが多い。筆者は国も企業も個人も基本的にはほぼ同じ物差しで考えるが、今回の場合もギリシャが返済できっこないほどの借金を作りすぎたのが原因である。
 
 デフォルト(債務不履行)は個人で言ったら自己破産である。何事も無理や過大評価は禁物である。特に借金は気をつけなければならない。もちろん、われらが日本国もそうであるが。

アメリカに輸出していないスカイラインなど、このシリーズでは日本車、特に日産車がいい味を出している(日産もゴーン社長の下、経営の軸が日本から離れていくのは仕方がないことか)。
 
 この映画で破壊される名車も200台といわれる。新しい映画作品のための“創造的破壊”といったところか。厳しい世界経済の現状もこのように“創造的破壊”の一過程であればよいのであるが……。
 
 一部で先行公開しているが、10月1日から本格公開! ストレス解消には最適だ!



    ©2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.


しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(4年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。

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