実は日本が世界3位「アルピーヌ」したたかな策 小規模ブランドがF1やル・マンに参戦するワケ

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こちらはアルピーヌの完全オリジナルとなるA110とは異なり、ルノーの市販車をベースとした“高性能バージョン”。

ベースとなるのは、新世代ルノー「5(サンク)」。コンパクトな5ドアハッチバックのEV(BEV)モデルだ。A290は、簡潔に言ってしまえばその高性能モデルである。

なだらかなハッチバックのスタイリングにかつての「5(サンク)」を思わせる(筆者撮影)
なだらかなハッチバックのスタイリングにかつての「5(サンク)」を思わせる(筆者撮影)

張り出しを増したブリスターフェンダーなどでスタイリングを仕上げ、最大110kW(150ps)のサンクに対し、A290の高性能仕様は160kW(218ps)まで出力を高めたモーターを搭載。

「軽さを重視する。10psのパワーアップと10㎏の軽量化なら、後者をとる」と同社CEOが説明するポリシーに従い、1479㎏というEVとしては軽い車両重量も魅力と言っていい。開発者によると、ハンドリングは「ショートホイールベースならではのシャープな走り」が楽しめ、「操縦性のベンチマークはA110」であるという。

一方でパワートレインまで含めたフィーリングは、「ガソリンエンジンの延長ではなく、EV時代のスポーツモデルとして作り上げた。パワートレインはリニアな制御を心掛けた」とする。ちなみに駆動方式はFF(前輪駆動)だ。

まるでラリーカーのような内外装

内外装は、アルピーヌ仕様とするにあたってルノー版のサンクに対し、大幅なモデファイが加えられる。たとえば、フロントはA110と同じく左右のヘッドランプに対して車体の中央側に補助灯を組み込んで4灯化。その補助灯に「×」が刻まれているのは、かつてのラリー車のテーピングをイメージしたものだという。

往年の5ラリーのイメージをうまく現代的に昇華したスタイリングで、ラリーイメージを強くアピールする(筆者撮影)
往年の5ラリーのイメージをうまく現代的に昇華したスタイリングで、ラリーイメージを強くアピールする(筆者撮影)

ブリスターフェンダーの張り出しはサンクに対して片側約3cmで、専用設計となるリヤドアパネルに至っては、エンジンを後席部分に積んでミッドシップ化したかつての名車「5ターボ」の空気導入口を連想させる形状に。かつての5ターボを知るファンには、たまらないスタイリングだろう。

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