実は日本が世界3位「アルピーヌ」したたかな策 小規模ブランドがF1やル・マンに参戦するワケ
ル・マン24時間レースにも参戦するアルピーヌとは、ルノー傘下にあるフランスのスポーツカーブランドである。ルーツをたどると、ルノーのディーラーも経営していたレーシングドライバー、ジャン・レデレがルノー車のチューニングや競技車両の製作を行ったことにある。
モータースポーツ活動と並行して「A110」の初代モデルなど独自の市販スポーツカーを手掛けたのち、1973年にルノー傘下に。その後も「V6」や「A610」などスポーツカーを世に送り出した。
しかし、1990年代になるとアルピーヌとしての活動を縮小し、ルノーのイメージを強めるブランド名の「ルノー・スポール(R.S.)」としての動きを強めていく。
モータースポーツ活動とともに、ルノー車をベースとした「ルーテシアR.S.」や「メガーヌR.S.」といった高性能モデルの開発を手掛けるようになっていった。ちなみに好事家が多い日本は、これらR.S.モデルの人気が高く、世界有数のマーケットであったという。
そんな中、2016年にルノーは、アルピーヌブランドの復活計画を発表。その後、アルピーヌ専用モデルである新世代のA110が市販され、再びルノー・スポールからアルピーヌへと看板を掛け替えられて、今に至っている。
アルピーヌがレースに参戦する理由
アルピーヌは、レース活動に積極的だ。今回のル・マン24時間レースが含まれるWEC(FIA 世界耐久選手権)のほか、F1にも参戦している。
WECがその名の通り長時間・長距離を、3人のドライバーが交代しながら走る耐久レースであるのに対し、F1は1人のドライバーが約2時間のレースを走るスプリントレース。どちらも世界最高峰レースだが、性格は大きく異なる。
実は、現時点でその両方(WECはいくつかあるクラスのうちの最上位クラス)に参戦しているブランドは、アルピーヌとフェラーリしかない。そう聞くと、アルピーヌのレースにかける力がわかるだろう。
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