“常識破り”が生んだ富士ゼロックスの新兵器

“常識破り”が生んだ富士ゼロックスの新兵器

「準備はできた。次のステージに移るぞ」

事務機大手、富士ゼロックスの山本忠人社長は今年4月、グループ約4万2000人の社員に対し、そうメッセージを発した。次なる成長戦略の柱となる新市場の開拓を急ぐ。照準を置くのは、社員100名未満の中小企業だ。

同社はこれまで、「大企業向けに強い」といわれてきた。1962年に富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)と英国ランク・ゼロックス(現ゼロックス・リミテッド)の折半出資により設立。2001年に富士写が出資比率を75%に引き上げ、その子会社に。こういった経緯をたどりながら、高機能の複合機をプリントボリュームが見込める大企業や官公庁向けに拡販してきた(事務機業界では、顧客に対して印刷1枚ごとに課金するシステムを適用することが一般的)。

大企業偏重に赤信号 新構造に反対意見続出

台数を追わずに収益性を重視してきた結果、国内の複合機シェアは台数ベースでは19・6%の3位にとどまるが、金額ベースでは30・5%とトップだ(10年実績、図)。

ところが、近年はコスト意識の高まりを背景に、大企業を中心に複合機の設置台数を減らす動きが加速。印刷枚数も減少している。厳しい市場環境を反映し、同社の業績も伸び悩む。ピークだった07年度に比べて10年度売上高は9831億円と18%減となり、同じく営業利益も591億円と37%減少した(図)。


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