放置された「国民年金の給付水準低すぎる」大問題 就職氷河期世代が退職迎えると大変なことに

✎ 1〜 ✎ 124 ✎ 125 ✎ 126 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

小泉内閣当時、17閣僚のうち、7閣僚に国民年金保険料の未納・未加入の時期があって問題となった。2023年1月にも、国会議員の年金未納問題がニュースとなった。 厚生労働省「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況について」によると、2021年度の国民年金保険料の未納者は、106万人だ。国民年金の第1号被保険者に占める割合は約7.4%となっている。

厚生年金適用範囲の拡大

【2024年7月23日20時10分追記】初出時に引用漏れがあったため、修正いたしました。

6月25日付時事通信「企業規模要件、撤廃へ=厚生年金、パートら加入拡大―政府」によると、短時間労働者の厚生年金加入は、現在、従業員101人以上の企業に義務付けられている(2024年10月からは51人以上)。週の所定労働時間が20時間以上で、月額賃金8万8000円以上の労働者が対象となる。

厚生年金の場合は保険料が給料から天引きされるので、未納になることはない。政府は厚生年金の適用範囲を広げる方針だ。

6月25日付時事通信「企業規模要件、撤廃へ=厚生年金、パートら加入拡大―政府」によると、短時間労働者の厚生年金加入は、現在、従業員101人以上の企業に義務付けられている(2024年10月からは51人以上)。週の所定労働時間が20時間以上で、月額賃金8万8000円以上の労働者が対象となる。

5人以上のフルタイムの従業員がいる個人事業所についても、厚生年金の適用範囲を広げる。宿泊業や飲食サービス業など一部の業種は現在加入が義務付けられていないが、こうした「非適用業種」を解消する方向だ。

厚生労働省の試算では、撤廃により、新たに約130万人が加入できる。2024年末までに詳細な制度設計を検討し、2025年の通常国会に関連法案を提出する。

厚生年金の保険料は労使折半であり、加入拡大に伴って、企業の負担費用や事務作業が増える。このため、政府は負担軽減策を検討する。

この連載の一覧はこちら
野口 悠紀雄 一橋大学名誉教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のぐち ゆきお / Yukio Noguchi

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社 )、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ』逆転勝ちの経済学(文春新書)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事