令和に「パワハラ首長」が続出する"まさかの背景" 問題視されても、なぜパワハラはなくならない?
地位や名誉、権限や資格などのパワーに敏感な日々を送り続けた結果、いざ“上”になったときに全能感を抑えづらいことがリスクに直結。謙虚に振る舞おうとしても、パワーの存在を自覚してしまい、よほど意識を高めなければそこから逃れることは難しいところがあります。
なかでも、よく見られるのは、パワーを前提に「彼にはこれくらいは言っていい」「当たり前のことを言っているだけ」などと自分の言動に甘くなりやすく、周囲への心理的な配慮に欠けやすくなること。
現在は「これくらい」や「当たり前」に個人差がある多様性の時代だけに、トップであるほど全能感とは真逆の対等な対人感覚が求められているのです。
“絶対に避けたい”シチュエーション
もともと組織のトップに接するときは、「不満や不安を抑える」「本音を言わず合わせる」のが部下の基本スタンス。「表では仮面をかぶって無難に接し、裏では仮面を取って怒りを募らせている」という二面的な対応になりやすい関係性だけに、「自分は大丈夫」と高をくくってはいられないものです。
トップとして特に避けなければいけないのは、部下が「我慢を強いられて逃げ場がない」「防御ができず耐えるしかない」というシチュエーション。即パワハラとして訴えられてもおかしくない状況であり、日ごろから「逃げ場を残しているか」「耐え続けていないか」などと相手を見ながら話す習慣をつけたいところです。
むしろ最近はハラスメントを恐れて「叱れない上司が増えている」という声をよく聞くようになりました。それでもハラスメントをしてしまう人は、やはり自分や何らかの大義への意識が高まりすぎて、相手の心境をよく見ていないのではないでしょうか。
組織の運営や収支などがうまくいっていたとしても、「トップと周囲との人間関係がうまくいっているか」「パワハラがないか」は別問題。
「社会的地位や信頼を失ってしまう」ことに加えて「賠償金額がジワジワと上がっている」という今、これまで以上にパワハラに対するセルフチェックが必要になっていることは間違いないでしょう。
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