令和に「パワハラ首長」が続出する"まさかの背景" 問題視されても、なぜパワハラはなくならない?
さらに4月には静岡県の川勝平太前知事による職業差別と受け取られる発言が問題視され、過去の不適切発言などもあって、やはり「パワハラ気質」などの指摘が見られました。
奇しくも16日夜に放送された『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ系)の特集は「被害者にも加害者にもならない 大ハラスメント時代の生き抜き方」。それだけハラスメントに敏感な世の中であるにもかかわらず、なぜ自治体トップのパワハラ問題が次々と起こるのか。
ビジネスのトップにおけるハラスメントを絡めて、その背景をひも解いていきます。
「聞く・話す」の順序とバランス
まず誤解のないように書いておきたいのは、ここで選挙に出る人や政治を志す人を「○○な性格」などとカテゴライズするのは適切ではないため、それはしません。広い意味で、組織のリーダーを志す人や選挙などで選ばれた人の言動や思考に着目し、「だからパワハラにつながりやすい」というリスクを挙げていきます。
16日の会見で斎藤知事はパワハラ疑惑などで辞職要求が相次ぐ事態について、「ご指摘は真摯に受け止めさせていただきたい」などとシンプルに語った一方で、「3年前に(選挙で)多くのご負託を私自身いただきました。新しい兵庫県に向けてよりよい県政を目指していくことが私の責任だと考えています」などと辞職を否定しました。
このコメントで気になったのは、議論のすり替え。パワハラ疑惑などについてふれない一方で、職にとどまる理由はしっかり語っていました。つまり、「相手の話をちゃんと受け止めず、聞かれたことに対する返事をしていない」ということ。
ふだんから組織のトップとして周囲の言葉に耳を傾け、返事をしている人なら今回のような会見でも、もう少し言葉を重ねて記者や住民に理解してもらおうとしたでしょう。
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