81歳のバイデン大統領が左派にたたかれ続ける訳 ネタニヤフ首相と犬猿の仲、股裂き状態

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バイデン政権や欧州連合(EU)、穏健アラブ諸国、日本を含む国際社会は2国家共存案による和平を支持してきました。西岸のパレスチナ自治政府が、ガザの統治を回復してパレスチナが再びひとつになれば、希望も見えてきます。それはパレスチナ国家の独立阻止を政治的使命とするネタニヤフや右派にとって悪夢です。

ネタニヤフは「ガザ戦争後」のプランを語るのを徹底的に避けてきました。窮地に陥ったら時間稼ぎをするのが常套手段。ネタニヤフはトランプ在任中、蜜月関係を売り物にしていました。トランプは退任後、関係が必ずしも良好でなかったことを暴露しました。特にトランプが根拠なく「不正」だと言い続ける2020年大統領選挙後、当選したバイデンにネタニヤフが祝意を伝えたことを子供っぽく根に持ち続けています。それでもネタニヤフは、トランプが次期米大統領になる方が、死中に活を求められるチャンスがあります。ネタニヤフはそれを待ち、粘り抜くつもりでいるようです。

バイデン政権にとっては、過去30年間も和平交渉の妨害で暗黙の共棲関係にあったネタニヤフとハマスが、共倒れしてくれると好都合です。しかしイスラエル右派もハマスも多くの熱烈な支持者に支えられるしぶとい組織。消え去ることはありません。

バイデン政権は「戦後」のガザで、穏健アラブ諸国を中心とする国際部隊が治安維持に当たり、パレスチナ自治政府が民生部門を手始めに、徐々に体制を整え力量を上げていく構想を描いているようです。

1996年3月3日、エルサレム・ヤッフォ通りでハマスに爆破されたバス(撮影:船津知美)

バイデンの武器支援停止発言

バイデンは、インフレや不法移民問題が不人気なうえ、再選されれば任期末に86歳になる高齢がネック。対ハマス戦争でのイスラエル支援で左派の若者など支持層から批判を浴びています。

トランプは異例の親イスラエル、パレスチナ冷遇政策をとりました。結果を重視するなら、不満があっても「より悪くない」バイデンに投票する選択になりますが、理想主義的な若者は自分の「心情の倫理」(M・ウェーバー)の純粋性を重視します。バイデンの足を引っ張り、強硬派の共和党というトンビに油揚げをさらわれる事態は考えられます。

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