81歳のバイデン大統領が左派にたたかれ続ける訳 ネタニヤフ首相と犬猿の仲、股裂き状態

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逮捕状請求と同時に、著名な国際法専門家8人の委員会が、容疑事実を「信じるに足る合理的な根拠がある」と認定した報告書を発表しました。日本の報道ではハマスの「性暴力」に触れない記事もありましたが、報告書は時系列で先んじるハマスの犯罪から始め、双方の刑事責任を同様に追及しています。

委員の一人で米人気俳優ジョージ・クルーニーの妻としても知られるレバノン生まれのアマル・クルーニー弁護士は、「戦時下における民間人保護の法は100年以上前に制定され、紛争の理由にかかわらず世界のあらゆる国に適用される」とのコメントを発表し、法の適用を受けない戦闘や超法規的な犯罪者があってはならないと強調しました。

日本はICCへの最大の拠出国

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イスラエルでは「テロ組織ハマス」と同列に扱われたことに、反ネタニヤフ陣営を含め反発が噴き出し、イスラエルを支援するバイデン米大統領は「言語道断だ」とICCを強く批判しました。ハマスも「抵抗運動だ」と反発しました。ICCには120か国以上が加盟していますが、アメリカやイスラエル、ロシア、中国は加盟していません。日本は2023年にICC分担金の約15%を負担する最大の拠出国です。

続いて国際司法裁判所(ICJ、ハーグ)が5月24日、イスラエルにガザ最南部ラファでの軍事作戦の即時停止を暫定措置(仮処分)として命じました。ICCは人道支援物資搬入のためエジプトとの境界ラファ検問所の開放継続や、ガザへの調査団の自由な立ち入りをイスラエルに求めました。命令には15人の裁判官のうち日本の岩沢雄司氏を含む13人が賛成しました。ICJはハマスにも人質の即時解放を求めました。

国際法廷は、過去の戦争・紛争の犠牲の上に発展し蓄積されてきた国際法、国際人道法に基づき、普遍的で実効性のある正義の実現を目指す人類の大切な機関です。今回、イスラエルやアメリカ、ハマス、さまざまな集団からの圧力に屈せず、法に基づく判断を示しました。

船津 靖 広島修道大学教授

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ふなつ やすし / Yasushi Funatsu

1956 年、佐賀県伊万里市生まれ、東京大学文学部社会学科卒。共同通信モスクワ、エルサレム、ロンドン特派員、ニューヨーク支局長、編集・論説委員などを経て2016年、広島修道大学教授。専攻は国際政治・報道。米中東外交、とくにアメリカ・イスラエル関係と宗教を研究。著書に『パレスチナ——聖地の紛争』(中央公論新社)。広島市在住。

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