20年ぶりに父の家を訪れると、玄関のドアを開けた瞬間に腐敗臭が立ち込め、顔を覆った。部屋には冷蔵庫がないというのに、スーパーで買った総菜や弁当が大量に放置されている。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信するゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)が、入院で家を空けることになった父親の部屋へ片付けに向かった。依頼者である息子が見たものとは。
動画:20年ぶりに訪れた父の家「誰にも言えず途方に暮れてた」【前半】
対立する意見「20年ぶりに訪れた父の家」寂しさから物が増える事もある【後編】2/2
対立する意見「20年ぶりに訪れた父の家」寂しさから物が増える事もある【後編】2/2
冷蔵庫のないリビングに放置された食べ物
現場は大阪府にあるマンションの3LDKの一室だ。ここには70代の男性がひとりで住んでおり、イーブイに片付けの依頼をしてきたのはその息子(50代)だった。
キッチンのあるリビングの状態がとくに酷かった。父親は冷蔵庫のない生活を送っていたというが、スーパーで半額の商品を見つけると買い込んでしまう癖があった。家に持って帰っても食べきれるわけもなく、保存ができないのですぐに腐ってしまう。しかし、その生ゴミを捨てることができない。
そうして溜まっていった腐敗物が流し台やダイニングテーブルの上に放置されていた。
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