「神宮外苑再開発」伊藤忠の声明の納得感の正体 どちらの意見が、理論とファクトからの主張か

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このなかで大手の企業が散々たる評価になっている。その結果を受けて、多くの企業人が反応している。温室効果ガス排出量の算定において、環境に優しくない企業が活躍しているとしているレポートだ。各社とも環境に優しいことを喧伝しているが、実際には口先だけだとしたら、グリーンウォッシュと思われても仕方がない。

環境団体のレポートにはそんな実態を明らかにしてくれる側面もある。

自動車メーカー各社は人権レポートで変わった

なお、人権団体とはいえないかもしれないが、人権意識の高い英国でローラ・マーフィー教授が「Automotive Supply Chains and Forced Labor in the Uyghur Region(新疆ウイグル自治区における自動車産業と強制労働)」なるレポートを公開した。これは自動車メーカー各社からすると耳の痛いレポートだっただろう。

というのも、「ほぼすべての有名な自動車は新疆ウイグル自治区の強制労働と直接、間接的に関わっている」とする結論だったからだ。

これまで自動車メーカー各社は人権遵守を掲げていた。強制労働とも児童労働とも無縁である、というのが自動車メーカー各社のスタンスだった。人権蹂躙が疑われる中国の新疆ウイグル自治区からは調達していないのが建前だった。

しかし、このレポートが公開されてからアメリカが動いた。アメリカの委員会で自動車メーカーに質問状が送られ、この事実について確認するよう依頼された。アメリカはよく知られている通り、強制労働等の人権蹂躙地域から商品の一部またはすべてが関わった商品を輸入できない。

新疆ウイグル自治区は綿花などで全世界の商品に携わっているといわれる。実際に、2024年5月のレポートではアメリカ国内外で販売されていた822の商品(衣料品、履物等)を調べた結果、中国の新疆ウイグル自治区産の綿花が使われていたものが実に19%に上ったという。同位体検査によって科学的に実施された。

このようなレポートで書かれた内容は、一般人が把握することはまずできない。詳細な取材を自らすることは、ハードルが高いからだ。この点において、レポートには意味があると言える。そして企業も、そのレポートが間違いであれば堂々と反論すればいい。

何にしても企業が発表する内容を鵜呑みにするのではなく、カウンターとして、第三者のレポートや指摘が役に立つ側面もあるということだ。

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