テレビ朝日「物言う市民株主」が異例の株主提案 前法政大総長や元文科次官が報道の自由求め 

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市民ネットによる4つの株主提案はいずれも否決されたが、総会後の記者会見で前川氏は手応えを口にした(7月4日に公表された資料では、株主提案の賛成率はいずれも1%台だった)。

「今回の株主提案は資本主義と市民主義の結合。大きな一歩です。視聴者を代表するグループが株主総会に出てきたことを、会社側は無視することはできないでしょう。もちろん来年も、内容を詰めて提案します」

 テレ朝の株式は系列の朝日新聞社が24.72%、東映が17.51%を保有している。いわゆる持ち合いだ。だが、株の持ち合いは海外の投資家から批判を受けており、日本でも解消が進んでいる。朝日新聞社とテレビ朝日も安穏としてはいられないだろう。

安倍政権によるコーポレートガバナンス改革で、日本企業の経営者は株主の声を無視できなくなった。それゆえに安倍政権への資本市場の評価は高かった。しかし結果的に、今回、メディア企業の経営者は、思わぬ形で安倍政権との関わりを問う株主の声に対峙させられたといえよう。

山岡 淳一郎 ノンフィクション作家

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やまおか じゅんいちろう / Junichiro Yamaoka

1959年愛媛県生まれ。一般社団法人デモクラシータイムス同人。出版関連会社、ライター集団を経て独立。「人と時代」「公と私」を共通テーマとして、近現代史、政治、経済、医療、建築など分野を超えて執筆。時事番組の司会、コメンテーターも務める。著書に、『ゴッドドクター 徳田虎雄』『後藤新平 日本の羅針盤となった男』『田中角栄の資源戦争』『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』『医療のこと、もっと知ってほしい』『生きのびるマンション  ふたつの老いをこえて』『気骨 経営者 土光敏夫の闘い』『ボクサー回流』『マリオネット』『原発と権力』『インフラの呪縛』『ドキュメント 感染症利権』など。最新刊に『ルポ 副反応疑い死』。

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