同僚のジン君も来日前から付き合っている彼女がいました。彼女であるカイン・サベー・モンさん(通称:モンさん)は京都の会社の勤務。離れ離れで5年間、恋愛をはぐくんでいました。
しかし同僚の彼女・ナンさんがやってきて同居したのを目の当たりにし、同じく遠距離恋愛が5年続いていたこともあり「自分も結婚して一緒に生活できないか」と考えるようになりました。
「日本で働く婚約者を雇ってもらえないか」
モンさんはコンピューターを使って3次元のオブジェクトやモデルを設計する3D CADのエンジニアです。「彼女(=モンさん)と結婚して一緒に生活したい」とジン君は七重さんに相談したところ、福本社長が「ちょうど会社のCADオペレーターの1人が60歳近くになっているので、雇用しても人材的にいいだろう」との回答をもらいました。
モンさんは5年間働いた会社を退社するのは申し訳なく思いましたが、結婚も人生にとっては大切なのでと会社に伝え2024年2月に退職、翌3月から働き始めました。
「うちのCADオペレーターは2次元の設計しかできませんでしたが、モンさんは3次元もできる。仕事の幅が増えて受注も増えるかも」と福本社長は期待を膨らませます。
外国人従業員の家族や身内を日本に呼んで一緒に雇用することで雇用が安定化するのは、地方企業や中小企業を中心に最近よく見られる傾向です。
賃金面では大手企業や首都圏のほうが魅力ですが、首都圏では2人以上で住めるような物件の家賃を会社が負担するのは難しく、また特別なルールを設けることが難しい大手企業では実行しにくい状況です。
外国人人材にとっては自分が働いている職場なので安心して身内を呼べるだけでなく、家族など親しい関係の同国人と生活することで精神的安定が生まれます。
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