ミャンマーの人は、一度退職すると決めると、その後その不満を解消させても、例えば給料を上げても「退職する」という気持ちは変えないことが多いようです。
本人が今後の進路を決める前に対処する。そのためには、日頃から何でも話し合える関係性を築いておくことが、人材定着を考えるうえでとても大切なことがわかります。
ソー君は来日前にお付き合いをしている彼女がいました。ミャンマーに残してきた彼女であるナン・メイ・テッ・ピュさん(通称:ナンさん)とは遠距離恋愛で、すでに5年を経過していました。
ミャンマーでは2021年に発生したクーデターで国内の政治・経済の混迷が深まり、ミャンマー国内での就職が難しい状況です。ソー君は「結婚して日本に連れて来られないか」と考えるようになりました。
「彼女と一緒に働くことはできないか」
ただ、ナンさんは日本語を勉強し始めていましたが、会話もほとんどできない状態。それでも日本に来られるのか、また仕事もあるのかと思い悩み、結局、七重さんに相談しました。
ソー君から相談を受けたとき、七重さんはちょうど妊娠が判明した時でした。そのため、日本語があまり必要でない事務をアルバイトとして雇えないかと福本社長に相談しました。
福本社長は「ソー君は食生活が偏る傾向があり、健康に不安がある、それなら彼女と結婚して日本に来て一緒に生活すればプラスになるだろう」と思い、「アルバイトとして雇うから彼女を日本に呼びなさい」と伝えました。
そうして2022年10月からアルバイトとして働き始めたナンさん。七重さんに聞いてみると「日本語はまだまだ通じないですが、英語は少し通じますし、すごく真面目に働いていて気配りができるので、社内での評価も高い。安心して産休に入れます」と打ち明けました。
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