実家の売却「無駄に急ぐ」人が知らない賢い売り方 マンションと戸建て「売り時の見極め方」の違い

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あなたの親の家は、違反建築になっていないでしょうか?

じつは、親の世代の家は、建築基準法や都市計画法に違反しているケースが少なくないのです。特に多いのは、増築によって違反建築になっているケースです。建物には「建ぺい率」と「容積率」というものがあり、これをオーバーしてしまうと違反建築になります。

建ぺい率とは、土地の面積に対して、どのくらいの面積まで建物が建てられるかの割合のことです。一方、容積率とは、土地の面積に対してどのくらいの規模の建物を建てていいかという割合のことです。

親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!
(図:『親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!』より)

勝手に増築し、違法建築である可能性も

私の実家の裏の家は、私が小学生だったときに、子供部屋を増築し、我が家にかなり近づくことになりました。おそらく勝手に増築したのでしょう。

こうした違反建築を買うと、住宅ローンが借りづらくなるケースもあります。つまり、買い手がかなり限定されるとともに、値段もかなり下がってしまうのです。

親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!
『親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!』(自由国民社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

では、実家の家が違反建築であるかは、どのように調べればいいのか。記録が残っていないケースがほとんどです。売却時に不動産仲介業者にチェックしてもらうことが基本になります。

また「既存不適格建築物」である可能性もあります。建築当時は基準に適合していても、その後の法律改正により規定に適合しなくなった建物です。「旧耐震基準」が、これに当てはまります。こちらも家の価値が下がる可能性が高くなります。

親の家が「違反建築」か「既存不適格建築物」であった場合は、価値は下がることもあり得ると覚えておきましょう。

永峰 英太郎 フリーライター

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ながみね えいたろう / Eitaro Nagamine

1969年、東京生まれ。明治大学政治経済学部卒業。業界紙記者、夕刊紙記者、出版社勤務を経て、フリー。企業ルポ、人物ルポなどを得意とする。主な著書に『日本の職人技』『「農業」という生き方』(アスキー新書)、『カメラど素人が、プロのカメラマンに撮影のテクニックを教わってきました。』(技術評論社)などがある。

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高橋 正典 不動産コンサルタント

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たかはし まさのり / Masanori Takahashi

1970年、東京生まれ。価値住宅株式会社代表取締役。宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。中古住宅の流通時において建物価値が築後経過年数に比例して一律減価する日本の建物評価に対して、個々の建物の価値の維持・向上を目指すべく、取引物件のすべてに「住宅履歴情報」の蓄積を行う、不動産取引から維持管理まで、顧客との永続的関係構築を行っている。
また、築年数によらず建物の一つひとつの価値を評価し、適切に売却及び流通させる不動産ネットワークである「売却の窓口」を運営、全国に加盟不動産会社が拡がっている。

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