3強追撃するドコモ、覇権争う共通ポイント 電力や携帯電話も合従連衡に走る
わかりにくいのは、ローソンを舞台に、dポイントとPontaポイントがぶつかり合うこと。一方、業務提携でdポイントとPontaポイントの相互交換(等価での交換)を実現させたうえ、両社が協力して提携先企業の拡大に取り組む、としている点である。両社とも「現時点でポイントプログラムを統合する計画はない」としているが、ポイント情報サイト「ポイ探」の菊地崇仁代表取締役は、「ポイントプログラムの統合を含めて新たな動きがあってもおかしくない」と指摘する。
野村総合研究所の推計によれば、2012年度のポイント関連消費(クレジットカード決済を含む)は74.3兆円。最終消費支出234.4兆円の約3分の1を占めるまでに成長した。その後もポイントが関与する消費は増え続けているとみられる。
ポイントを活用して急膨張する楽天
同社の安岡寛道・上級コンサルタントは、ポイントプログラムをうまく活用することで顧客の囲い込みに成功している企業の代表例として、楽天を挙げている。
同社は02年にネットショッピングサイトの「楽天市場」で広く使える楽天スーパーポイントを導入。楽天カード決済でのポイント還元率が一般のクレジットカードよりも高いうえに、楽天市場での買い物の際にポイントを上乗せすることにより、楽天市場の成長を牽引する役目を果たしてきた。ポイントが貯めやすいことを売りにした楽天カード自体も驚異的な伸びを示す。14年1年間の楽天カードの取扱高は前年比35%増と、eコマース市場の伸び(前年比14.6%増、経済産業省調べ)やクレジットカード市場の伸び(同10.1%増)を、はるかに上回っている。
楽天はネットビジネスで培ったビジネスの仕組みを、リアルにも広げようとしている。その手段が、コンビニなどの実店舗で提示するだけで楽天スーパーポイントを貯めることができる、「Rポイントカード」。14年10月に取り扱いを開始した。Rポイントカードを提示するとともに、楽天カードや電子マネーの「楽天Edy」で決済すれば、ポイントの“二重取り”ができるのも売りだ。これに先駆けて楽天スーパーポイントを楽天Edyに等価交換できるサービスも始めている。
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