それでもギリシャを救うには何が必要か 押しつけの構造改革では意味がない

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構造改革により、すべての賃金と価格を単純に下げるのであれば、確かに短期では総需要の落ちを食い止めることは困難だろう。しかし、同様の批判は別の政策変更に関しても言える。貧弱な計画では、非生産的になる。だがEU(欧州連合)はより高い生産性を目指している。

ギリシャ政策は見直しのタイミング

EUにとどまりたいのがギリシャ国民の大半の意見である。理想的には、改革を行えば金融支援を行うと言うのは、ギリシャを近代欧州の一国にしたいと願う国民を後押しすることになるかもしれない。

しかし、そのゴールに向かう改革の過程でギリシャが直面してきた困難を考慮すれば、今はギリシャ危機に対応する方法を根本から再考する時だ。さらなる借金を提供する政策の代わりに、ギリシャがユーロ圏に残るかは別としても、無条件の人道支援を行ったほうが賢明かもしれない。

週刊東洋経済2015年7月18日号

ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授

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Kenneth Rogoff

1953年生まれ。1980年マサチューセッツ工科大学で経済学博士号を取得。1999年よりハーバード大学経済学部教授。国際金融分野の権威。2001〜03年にIMFのチーフエコノミストも務めた。チェスの天才としても名を馳せる。

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