【産業天気図・化学】原料ナフサ5万円台と一段高想定だが、第7次値上げで増益見込む

前2005年のエチレン生産は762万トンで前年比0.7%増となった。これで3年連続で前年を上回った。エチレンプラントの稼働率も100%に近く、定修を除くとほぼフル稼働状態が続いている。その中で売上高1兆円を超える総合化学大手5社は原料ナフサの上昇に伴う製品価格の値上げもあり、軒並み増収に。しかし、石油化学部門での定修負担や合繊原料価格の低下などが響き、三菱ケミカルホールディングス<4188.東証>や三井化学<4183.東証>が営業減益となったのに対し、住友化学<4005.東証>は医・農薬の好調、信越化学工業<4063.東証>は米国塩ビ、半導体シリコンウエハの好調などで2桁の営業増益を確保するなど、明暗が分かれた。
 今06年度は各社、原料ナフサ価格について1キロリットル当たり5万(三菱、旭化成<3407.東証>など)~5.2万円(住友化学、三井化学)を想定。前年実績の4.2万円台に比べ、8000円から1万円近く上昇すると見ている。これに伴い、昨秋の第6次値上げに続いて現在、第7次のポリオレフィン値上げが進められており、産業材分野では、ほぼ完了したと言われている。この製品価格への転嫁という問題があり、「晴れ」とまでは言い切れないものの、5社とも今期は増収・営業増益を見込み、旭化成、信越化学では連続増配を予定している。
 各社の財務体質は最近の収益上昇と有利子負債の圧縮を反映して改善している。D(有利子負債)/E(株主資本)レシオで見ると、前期に三菱、三井化学は1を割り、住友化学は0.8、旭化成は0.4まで低下、信越化学では実に0.1以下という低水準。その中で各社は設備投資を活発化させており、住化はサウジ・ラービグ、偏光フィルム、三菱は高純度テレフタル酸(中国新設、インド増設)、ポリカーボネート、旭化成はアクリロニトリル(韓国に続いてタイ)など、最重点分野に積極投資する姿勢を明確にしている。
【宇田川日出雄記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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