日本政府の格下げに伴う事業会社に対する格付けアクションの主な根拠《ムーディーズの業界分析》


SVP - チームリーダー
コーポレート・ファイナンス・グループ
谷本伸介

ムーディーズは8月24日、日本政府の格付けをAa2からAa3に引き下げ、大手邦銀の格付けをAa3からA1に引き下げた。格付けの見通しはいずれも安定的である。これらの格付けアクションは、5月31日に開始した引き下げ方向での見直しの結論である。

ムーディーズはこれらの格下げに続いて、事業会社発行体でAa水準の6社--味の素、アステラス製薬(アステラス)、富士フイルムホールディングス(富士フイルム)、セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイ)、トヨタ自動車、信越化学工業(信越化学)--の格付けを据え置いた。これらの発行体の格付けは、日本政府格付けおよび銀行格付けの見直しに伴い、引き下げ方向で見直しの対象となっていた。ムーディーズは、これら6社の格付けを据え置くとともに、すべての格付け見通しを「安定的」とした。また、日本政府の格下げに関連して、日本たばこ産業(JT)のAa3の格付けも据え置いた。

また、ムーディーズは、格付け見直しの対象となっていた規制業種の企業に対し、格付けアクションをとった。ガス会社2社、鉄道会社3社、通信事業者の日本電信電話(NTT)ならびにエヌ・ティ・ティ・ドコモ(ドコモ)の格付けをそれぞれ1ノッチ引き下げた。同時に、電力会社7社の格付け見直しを継続するとともに、1社--沖縄電力--の格付けを据え置き、見通しを安定的とした。

このリポートでは、分析上の検討内容を説明する。

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