日本政府の格下げに伴う事業会社に対する格付けアクションの主な根拠《ムーディーズの業界分析》

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 電力会社については、原子力発電所を保有するうちの6社の格付けを引き下げ方向で引き続き見直しの対象とする。これは、原子力損害賠償支援機構法の詳細な仕組みが不透明であること、ならびに、原子力事業者が負担金を拠出する必要があることを要因としている。電源開発(J-POWER)は、主要な電力供給先となっている他の見直し対象の電力会社に対してエクスポージャーを有するため、引き続き見直しの対象とされた。一方、沖縄電力は、原子力関連の問題からあまり影響を受けないため、格付けをAa3に据え置き、見通しを安定的とした。

ガス会社2社--東京ガスおよび大阪ガス--の格付けは、1ノッチ引き下げられてAa3/安定的となった。東京ガスの格付けは、単独の信用ファンダメンタルズのみに基づいているが、大阪ガスのAa3の格付けには、サポートシステム要因とする1ノッチの引き上げが織り込まれている。東京ガスもサポートシステムの恩恵を受けるが、上述のとおり、ムーディーズは通常、サポートを受ける企業の格付けを、サポートシステムを要因として、サポート提供者の中で最も高い格付け(ここでは日本政府)を越える水準にまで引き上げることはしない。

鉄道3社の格付けは、いずれも1ノッチ--東日本旅客鉄道(JR東日本)はAa2に、東海旅客鉄道(JR東海)と関西高速鉄道はAa3に--引き下げられた。これは、経済状況の停滞によって、各社が従来の格付けにふさわしいキャッシュフロー創出の水準を維持できなくなる可能性があるということ、また、各社の財務内容の向上のペースが、従来よりも緩慢になるかもしれないというムーディーズの懸念を反映している。

NTTグループの1ノッチの格下げは、レバレッジが想定したほど改善しておらず、Aa1に相応する財務水準を達成できないとみられるためである。国内市場の飽和と激しい競争を背景に、中核事業は今後も厳しい事業環境に直面するとみられる。

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