会話で「知らない」と決して返してはいけない理由 まずは「面白そう」と繋ぎ、相手に教えてもらおう
実は「話せないネタ」というのは、単に「食わず嫌い」であることが多いのです。
その「食わず嫌い」を防ぐために、私の授業では、自分の苦手な分野や嫌いなものについて、あえて「ほめる」という練習をしてもらいます。
なかには抵抗する人もいますが、「ほめる」役割になってみると、これが意外とできるものなのです。
そして、実際にほめてみると、不思議と「あれ、嫌いじゃないかも」「へえ、こんな面もあるんだ」という気持ちになります。ほめることで、自分の意識が変わるのです。「嫌だな、苦手だな」と頑(かたく)なになっていた心が、ほめるという行為で「そうでもないかも」「むしろ興味が出た」と緩んでいくんですね。
私も授業で韓国のアーティストについて、学生から教えてもらったことがあります。「へえ」と思ってユーチューブで曲を聴いてみたりすると、「意外といいな」と音楽の趣味が広がることもあります。
専門的な話題も、たった一つのキーワードで話が続く
こうして「食わず嫌い」の分野をなくしていくと、趣味的な話題や、少し専門的な話題を振られたときにも困りません。知っている言葉を使って、
「それって、こういうものですよね」
と返すと、「あ、ご存じなんですね」と会話をつなげることができます。
少し不安があれば、
「よくわからないのですが、これもそうですか?」
と一言返すだけでも、相手は安心して話を続けてくれます。相手も「この話をして相手にわかってもらえるだろうか」と心配しながら話していることがあるのです。
たった1ワード、2ワードでかまいません。「全然知りません」と答えるのと、知っていることを一つでも返すのとでは、その先の展開はだいぶ変わるのです。
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