塩害、放射能汚染……風評でも大打撃、農業は復旧のメド立たず、そうま農協の苦悩

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 復旧・復興といっても、まったくメドが立っていないのが現状だ。沿岸部の防波堤は原型をとどめていない。早急に護岸工事をする必要があるが、地震によって地盤沈下が起こり、まったく水が引かない地域も存在する。
 
 排水するにも冠水地域が広大。また、底にたまった泥・がれきの処理をどうするか。そして、塩害。塩抜きをどう行うか。
 
 さらに、自宅を流された農家も多く、流出した農機具の買い替えは、二重ローンの問題にも陥る。

放射能問題はさらに深刻だ。「今年の作付け制限はしょうがないとしても、来年度に向けて、この間に除染に取り組み、少しでも多くの作付けができるようにしたい」(菊池洋一・JAそうま営農経済部米穀課長)。
 
 現段階は、まだ試験的なものだが、ヒマワリ・アブラナによるセシウム吸収、「ゼオライト」という天然鉱石によるセシウム吸収、あるいは代かき攪拌による除去などの除染作業が行われている(タイトル横写真は農村工学研究所による水田除染試験)。しかし、そのような方法を採るにせよ、放射性物質を吸収させたあとの放射性廃棄物処理に問題が残る。

ひと口に農家といっても、地域、年齢、あるいは専業か、兼業かで動きもさまざまだ。避難を余儀なくされた農家は、もちろん農業はできないが、避難先で農地を求め、営農を再開している人がある。避難しなくても、放射能や津波の被害で農業ができなくなった専業農家の多くは、今後の復旧に期待している。作付けできなくても水田を耕す人もいる。
 
 しかし、「作付けできないと、収入がなくなる。農作業ができないから外に出なくなる。将来への不安もあり、ストレスがたまっている農家の人は多い。また、兼業農家は、この機会に離農を考える人が増えている」(浜田早苗・営農経済部営農企画課長)。

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