1年切った「大阪・関西万博」現地で感じた温度差 街中では賛否両論の声、産業界の受け止め方
メインステージを見学していた、万博ボランティアに申し込んだという女子高生は「いろいろな国の技術が集まって、多くの国から人が来て、楽しそうって、ふんわりと感じています。例えば万博をきっかけに『空飛ぶ車』が身近に体験できるようになったら楽しそう。いままでにない新しいことを知ることができるという期待感があります」と語る。
イベントに足を運んで参加した人たちは、大阪府民のなかでも万博開催をポジティブに捉えている人たちかもしれないが、若い世代には万博に対してそれほどネガティブな感情はないことや、世界中の新しい技術や多様な文化が集まることにワクワクした気持ちを抱いていることを感じた。
イベントに参加したお笑いコンビ・見取り図の盛山晋太郎は「地下鉄や街中でもいろいろな掲示が増えてきたり、僕らを含めて万博で街がどう変わっていくのかを楽しみにしている人は多いと思います。肌感覚として、大阪が元気になっていく感じがありますね」と語る。
万博に対しては賛否両論の声
その一方で、なんば広場を通りかかった20代会社員の男性は「費用がかなりかかっているけど、それと釣り合うイベントになるのか、万博にどういうメリットがあるのかよくわからない」と、いまだ情報が少ないことが関心につながっていないことを指摘した。
難波で開催していたイベントをたまたま見かけた人々の場合は、万博への知識がほとんどなく、関心も希薄だった。現時点ではこちらが大阪府民の中でもマジョリティなのだろう。
それと同時に「どうせやるなら楽しまなきゃ損」といった関西人らしい気質も感じられた。これから開幕が近づき、さまざまな情報があふれることで、万博へのポジティブな空気が伝播していくことも期待される。
こうした状況をイベントの主催者側は、どう感じているのだろうか。
2022年に設立された吉本興業や朝日放送テレビ、大阪ガスなどで構成されたチーム関西は、万博に向けてさまざまなイベント、プロジェクトを継続的に実施し、大阪の魅力を発信し続けている。
代表理事の福島伸一氏は、万博への現在の大阪の温度感に関して「地元の認知度はもちろん、関心、期待値とも非常に高いと感じています。街の中にミャクミャクの姿も目立ち始めているほか、何よりボランティアへの応募が定員の3倍近くありました。その応募者は、10代、20代が全体の約40%を占めており、これからの時代を担う層の関心と期待の表れかと思います」と手応えを得ている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら