「報連相を徹底しろ」は今どき通じるのかを考えた かつてはビジネスの基本として叩き込まれたが

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仕事のモチベーションを上げるには「動機付け要因」のほうが、効果的に思える。

しかしどんなに好きな仕事に就いたとしても、上司からしょっちゅう承認欲求を満たすような声かけがあっても、会社の方針がおかしかったり、上司のマネジメントが不明瞭だったり、ルールを守らない社員がいても注意しないような人ばかりがいたらどうだろう。

やはり「衛生要因」が満たされないと、職場に対するエンゲージメントは上がらないはずだ。

大事なのは「点数を上げる」ではなく「点数を下げない」こと。退屈かもしれないが、上司は「部下の満足を増やしたい」と考えるのではなく、「部下の不満を減らそう」と考えるべきだ。

そのとき、具体的な行動としてポイントとなるのが「報連相」である。普通のことだと思われるかもしれないが、20年近く現場に入って支援をしてきたものの、報連相が徹底されている企業は意外と少ない。たかが報連相、されど報連相なのだ。

「連絡→報告→相談」が基本

報連相とは、報告・連絡・相談の略だ。しかし覚えるときは、「報連相」ではなく「連絡→報告→相談」の順番を守って実践するようにしよう。

まず「連絡」について簡単に解説しよう。報連相の中で、最も心理的ハードルが低く、絶対に欠かせないのが「連絡」だ。

「来週の月曜日に緊急の朝礼を行うと、メンバーに連絡しておいて」

「お客様に9時半には到着すると、連絡してくれないか」

このように上司から言われて連絡を怠ったら、間違いなく部下は叱られる。難しいことではないし、誰だってできるわけだから、ついつい連絡を忘れてしまうような人は信頼されない。

これは上司もそうだ。

・メールはいつ返信してくれるのか

・次回の打ち合わせはどんな内容になるのか

・課長会議で決まったことは何なのか

何も連絡しない上司は、部下から信頼されない。

「そのうち連絡するから」

と言っておいて、なしのつぶての上司がいる。部下には「連絡がない!」と叱るくせに、自分は連絡を怠るのだ。

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