日焼け止め「SPF50+を選べば安心」は大きな誤解だ 美肌を長続きさせるために守るべきこととは

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美容の科学:「美しさ」はどのようにつくられるか
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短い波長で細かく振動している紫外線が、たんぱく質や遺伝子など長く連なった化学成分に衝突すると、その大きなエネルギーによって結合を切断することがあります。これが紫外線の直接的な「酸化的切断」と呼ばれるもので、この現象を一言で「酸化」と呼んでいます。日常の分かりやすい例をあげると、紫外線による服の退色です。多くの染料は、化学成分の結合によって特定の色を吸収することで発色しています。この結合部分に紫外線が衝突すると結合状態が変わり、それにともなって色が変わります。

間接的な攻撃の場合は、紫外線はまず水などに吸収され、酸化力を持つ粒子(ヒドロキシラジカルなど)を生み出します。このラジカル(酸化力を持った成分)がたんぱく質や遺伝子を攻撃し、結合を切断します。これもラジカルの酸化力によるものです。

ビタミンより日焼け止め

こうした紫外線やラジカルの酸化力に対抗するためには、ビタミンなどの体内の還元力によって打ち消す方法もあるのですが、体を酸化させるものをそもそも入れない、発生させないという対策がもっとも効果的です。だからこそ、こまめに日焼け止めを塗布するという、従来の方法がいちばん適切なのです。

尾池 哲郎 化学系ベンチャー・FILTOM研究所長

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おいけ てつろう / Tetsuro Oike

化学系ベンチャー・FILTOM研究所長。九州工業大学卒、同大学院博士後期課程修了(工学)。2007年、ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受 賞。科学的知見をもとに、非加熱化粧品やプレバイオティクス化粧品、生サプリメントなど独自の美容・化粧品を開発。FILTOMの最先端フィルター技術による世界初の生プラセンタエキス開発で特許取得。事業目標に低コスト海水淡水化を掲げる。

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