99%の人がやらかす「ダメ資料」ランキング なぜ「だから何?」と言われてしまうのか
よく「どうやったらわかりにくい図を直せますか?」と聞かれますが、論理的に情報を整理することができていて、わかりにくいのが表現の仕方の問題だとした場合には、「重なりをなくす」ということがコツです。
前出の例の場合には「線」が重なっているので、この線がどうしたらすっきりできるのかを考えるわけです。この場合は、右と左の要素を縦と横に配置し直します。こうすることでわかりにくさが解消できるわけです。
こだわりどころの勘違い
ある程度、資料作成やパワーポイントなどのツールに慣れてきたときにやりがちなのが、凝りすぎ、過剰演出の資料です。
カラーリングや、エンボス(凹凸加工)、影付け、3D(立体的な視覚効果)など、ツールの演出機能を余すところなく使いたくなるというパターンです。かくいう私も色にこだわった時期があり、「ビジュアルクイーン」という称号をいただいていたこともあります。
当時は、資料に勢いが感じられると褒められることが多かったように思いますが、こういった演出は、時代のトレンドや企業や組織の風土などの影響も受けるため、正解があるわけではありませんが、気をつけたいポイントをいくつかあげてみましょう。
【カラーリング】
色使いも前述の図と同様、「センス」ととらえられがちですが、ビジネスの資料においてはセンスではなく論理で選びましょう。基本的にはトーンが揃った色を数種類選んで基本のカラーにし、それよりもトーンが強いものをアクセントカラーとして目立たせたい箇所に使います。トーンとは彩度(鮮やかさ)と明度(明るさ)を合わせた色の雰囲気のようなものです。
ついさまざまな色を使いたくなるものですが、白黒でプリントアウトした場合を考えると、色にあまり意味を持たせるのも考えものです。できるだけ、無彩色(白・グレー・黒)の濃淡だけで意味が通じる作りにしておくべきでしょう。
【エンボスや影付け】
図形や見出しなどを不必要に立体的に見せる“過剰演出”は、資料を見る人を疲れさせ、内容に集中できなくさせます。
逆に、平面的すぎるのも問題です。Webデザインの世界で「フラットデザイン」という立体的表現を取り去った概念が提唱され、2013年以降にリニューアルされた多くのPCサイトのデザインに取り入られました。しかし、それが行き過ぎ、今度はクリックすべき要素と非クリック要素の区別がつきにくくなったり、情報の重み付けや関連性がわかりにくくなったという弊害も出てきました。
過ぎたるは及ばざるがごとし、とはこのことです。資料も同様に、意味のある演出表現であるかどうかを考えた上で、使うようにしましょう。
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