中国人の"ニセモノ信仰"はいつまで続くか?

実はそろそろ「うんざり」な人も

中国ではニセ札がいまだに横行している(上が本物、下がニセモノ。ニセモノのほうは壹佰圓という文字が少しずれているのがわかる)

「自分もついにやられちゃったんですよ……」

いったい何の話? と思ったら、日本人の友人は財布からいきなり中国元を2枚取り出して見せてくれた。

上海に転勤になって1年半。先月、初めてニセ札をつかまされてしまったのだという。帰省の折、苦笑しながらも、友人は身ぶり手ぶりを交えてニセ札をつかまされた経緯を私に話してくれた。

「夜遅くタクシーに乗っていたんです。家に着いたとき、細かいおカネがなかったので100元札を出したんですよ。運転手は車内のライトをつけないまま、いったん受け取ったんですけど、すぐに「これは汚いから別のお札に替えてくれ」といって突き返してきたんです。

一瞬『えっ?』と思いましたけど、『しょうがないな~』と思って別の紙幣を出したんです。お釣りをもらってそのまま帰宅。翌日、ランチのときに財布を開けてみると、昨夜受け取ったお札の手触りがおかしい。部下の中国人に見せたら「それ、ニセ札ですよ」って……。あちゃーって感じで、けっこうショックでした」

よく見比べないと判別不能なニセ札

私も2枚のお札を見比べてみたが、一見したところ、違いはまったくわからなかった。だが、手触りは明らかに違い、1枚はツルツル、もう1枚はそうでもない。

図柄をよく見てみると、ニセ物のほうは壹佰圓(100元)という文字の印刷がずれていた。毛沢東の表情もどこか違うような……。しかし、明るいところでよく見なければわからない。夜中にタクシーの中で受け取ったら、判別するのはかなり難しいだろう。

友人は普段から同僚などに「こっち(中国)はニセ札が多いから気をつけるように」と言われていたそうだが、まさか自分がニセ札を手にするとは夢にも思わなかったという。

日本でニセ札発見!となればけっこうなニュースになる。しかも、普通の人がそれを手にする機会はほとんど皆無だろう。だが、中国ではよくある話。それほど中国は「ニセ札が自分の周囲にあってもおかしくない」社会だ。

次ページ尽きることのない、ニセ札エピソード
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 最新の週刊東洋経済
  • 実践!伝わる英語トレーニング
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
消える仕事、残る仕事<br>1億人の「職業地図」

コロナ、AI、脱炭素――。私たちの雇用を取り巻く環境が激変しています。今後、どんな職業を選ぶかは死活問題に。2030年に向け「消える仕事」「残る仕事」36業種、「会社員の価値」がわかる9職種を掲載。本特集が職業を改めて考える機会になれば幸いです。

東洋経済education×ICT