「朝起きたら足が…」女性を襲った恐怖の"感染症" 経験から悟った「病気から身を守る方法」とは?

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今でこそ注目度の高い溶連菌感染症だが、10年前は今のように”怖い病気”という認識はなかった。ただ、由美さんは、当時、医療分野の仕事をしていたこともあって、一般的な風邪に比べて「注意すべき感染症」だと知っていた。

「溶連菌感染症から、『腎炎』という合併症が起こるということは、知識としてはありました」(由美さん)

もう1つ、“抗菌薬は症状がなくなってもやめないで飲み続ける”必要性もわかっていた。だから、「こじらせてはいけない」と、クリニックで処方された抗菌薬を、途中でやめずにしっかり飲みきった。

「薬を服用したら、1日ほどで熱は下がりました。それもあって、病気にかかったことは、そのときまですっかり忘れていたのです」(由美さん)

すぐに大きな病院に行ってください!

話を戻そう。

診察室に呼ばれた由美さん。足を見せたとたん、医師は顔色を変えたという。そこで、これまでの経緯を伝えると、「溶連菌感染症から発症した腎炎の可能性が高い。すぐに大きな病院に行ってください!」と、紹介状を書いて、由美さんに渡した。

紹介先の病院に向かう車の中で、由美さんは、猛烈な不安に襲われはじめた。というのも――。

腎炎を発症したとしても、子どもの場合は、一時的な腎機能の低下ですむのがほとんどだ。

しかし、「大人は子どもと違い、将来にわたって少しずつ腎臓の機能が落ちて、最終的には『慢性腎炎』になってしまうケースが多い」と、仕事を通じて医療関係者から教えてもらったことを思い出したからだ。

「進行したら、透析が必要になる可能性もゼロではないというのも聞いていました。紹介先の病院でも、問診時に『大人は慢性腎炎になる可能性が高い』と、告げられました」(由美さん)

さらに主治医からは、急きょ「入院をするように」と告げられる。入院して、急性腎炎か慢性腎炎かを調べる「腎生検」を行うことになったのだ。これは、腎臓に専用の針を刺して組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査だ。

「診断結果が出るまでの数日間は、心配で、心配で……。病院のベッドで毎日、泣いていました」(由美さん)

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