アップル「iPhone」、中国市場で値下げしテコ入れ 実売価格が2割引で、4月の販売台数18%増加

✎ 1〜 ✎ 1445 ✎ 1446 ✎ 1447 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「アップルが(異例の)値下げに踏み切ったのは、消費者の購買意欲を刺激して市場シェアを奪回するためだ」

そう解説するのは、市場調査会社カウンターポイントのシニアアナリストを務めるアイバン・ラム氏だ。

中国の個人消費はこのところ回復傾向にあるものの、消費者は高額の出費に慎重になっている。そのためアップルは、(ハイエンド商品であるiPhone の)適度な販促を通じて潜在需要を引き出す必要に迫られた。

スマホ市場に復帰したファーウェイは、ハイエンド市場でアップルからシェアを奪っている。写真は同社が4月に発売した「Pura 70 Ultra」(ファーウェイのウェブサイトより)

アップルにとって予想外の誤算は、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)がスマホ市場に劇的なカムバックを果たしたことだ。ファーウェイは2023年8月、自社設計の5G(第5世代移動通信)半導体を搭載したハイエンドスマホ「Mate 60シリーズ」を発売。中国のスマホユーザーの間で爆発的な人気を博した。

(訳注:ファーウェイはアメリカ政府の制裁の影響で、2020年秋から3年近くにわたり5Gスマホの新製品を投入できなかった。詳しくは『ファーウェイ「自社設計チップ」搭載拡大の衝撃』を参照)

ファーウェイ復活で思わぬ痛手

その後、ファーウェイはミドルクラスの「nova 12シリーズ」、ハイエンドの「Pura 70シリーズ」など、5Gスマホの新製品を続々と発売。同社の全面復活により、中国スマホ市場の構図は大きく変わった。

IDCのデータによれば、中国市場における2024年1~3月期のメーカー別市場シェアは、首位が栄耀(Honor)で17.1%、第2位がファーウェイで17.0%、第3位がOPPO(オッポ)で15.7%、第4位がアップルで15.6%、第5位がvivo(ビボ)で14.6%となっている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

ファーウェイが2023年10~12月期の第4位(市場シェア13.9%)から順位を2つ上げたのに対し、アップルは首位(同20.0%)から3つも順位を下げた。IDCの郭氏は、ファーウェイの躍進がアップルに与えた影響をこう分析する。

「復活後のファーウェイの売れ筋はMateシリーズやPuraシリーズなどのハイエンド機種だ。ミドルクラスはあまり売れていない。それだけに、ハイエンド市場で競合するアップルが最も大きな痛手を受けた」

(財新記者:覃敏)
※原文の配信は5月29日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事