「部下がぐんぐん成長する上司」がしている質問 能力を最大限に引き出す「気づき」の力

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ステップ4 【O】 Options(方法を考え、選択肢を増やす)

ステップ4では、より多くの方法を考え、選択肢を増やすことが求められる。正しい答えはこの段階ではわからない。だからこそ否定・限定はしないで柔軟に考えるよう促す。多くの視点から方法を探し出し、多くの選択肢から選び抜いた方法は、目標達成への近道である(3)。

【質問例】
・他の人のやり方で取り入れてみたいことはありますか?
・どのようなやり方があるのか、3つ考えられますか?

ステップ5 【W】 Will(意志の確認)

最終ステップでは行動を決定するため、いつからどこでどんな行動するのかを具体的に確認する。また、計画通りに進められるのか、次にどの時点でフォローしたほうがよいのか、その後の行動計画を決めておく必要もある。ここでは部下自らやる決意や具体的な行動、進捗の報告などを確認しよう。

【質問例】
・いつ、何から始めますか? その計画に無理はないですか?
・いつ進捗について報告してもらえますか?

GROWモデルを活用するときに心がけること

まず、部下の視野が広がる質問は、そう簡単に思い浮かぶものではない。日頃から適切な質問が浮かんだり、参考になる質問を見つけたりしたらメモにして整理しておくと便利だ。また、コーチングの時は、メモを見ながら適切な質問を投げかけてみることをおススメする。

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次にリーダーは部下が話やすい環境を整えよう。部下が回答している時は、口を挟まず、高圧的な態度をとらないように気を付けよう。

最後にリーダーは正しい承認を表現しよう。相手の能力を見極めてストロングポイントをのばすため、認める言葉を投げかける必要がある。

GROWモデルを活用したコミュニケーションによって、部下は目標達成に必要な手段とプロセスを多方面から具体的に考えられるようになる。自ら考えて行動できれば、部下のモチベーションは高まり、成長につながる可能性がある。

 

1. ジョセフ・オコナー&アンドレア・ラゲス[2012]『コーチングのすべて-その成り立ち・
流派・理論から実践の指針まで(第5刷)』(杉井要一郎訳)英治出版
2. 伊藤守[2002]『コーチング・マネジメント(第14刷)』ディスカバー・トゥエンティワン
3. 出江紳一[2009]『リハスタッフのためのコーチング活用ガイド(第3刷)』医歯薬出版
杉本 ゆかり 跡見学園女子大学・群馬大学大学院兼任講師

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すぎもとゆかり / Yukari Sugimoto

跡見学園女子大学・群馬大学大学院兼任講師、中央大学大学院ASI研究会主席研究員。中央大学大学院戦略経営研究科修士課程(MBA)を首席で修了、同大学院同研究科博士課程にて博士取得。2000件を超える企業研修や講演会でマネジメントや人材育成の課題解決を支援。専門はマネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション、マーケティングなど。トステム(現リクシル)代表取締役付秘書の後、医療福祉専門学校の教務部長を経て学校長に就任、その後現職。主著は『患者インサイトを探る-継続受診行動を導く医療マーケティング』『リーダーのためのコミュニケーションマネジメント-トップリーダーとメソッドから学ぶ部下育成の奥義』

 

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